退職後の健康保険、どっちがオトク?

個人事業

退職後に考えなければならないことのひとつが「健康保険」。会社を辞めたあとも健康保険に入らないと、病院での医療費が全額自己負担になってしまいます(-_-;)

「任意継続」か「国民健康保険」

退職後の健康保険は大きく2つ

任意:今までの会社の健康保険を続ける
国保:市町村の保険に加入
※扶養に入る方法もあるが、対象が限られるので割愛します

切替のタイミング

保険の切替は退職後に速やかに行います。それぞれの期限は以下の通り。

・切替前の空白期間は医療費全額実費(後で戻ってくる)
・任意継続は20日を過ぎると加入できない
・国保は14日を過ぎても加入できるが、過去の保険料も納める必要あり

任意継続とは

大きく2種類ある
①健康保険組合(トヨタなどの大企業)
②協会けんぽ(一番多い)

・途中で辞められる

・扶養家族に保険料かからない・健康診断や人間ドック、付加給付が使えるかも
・保険料が退職前の2倍

・原則2年しか加入できない


・収入が低くなっても保険料変わらず

国保(国民健康保険)とは

・ずっと入れる

・収入が低いと安い(前年の所得に比例)

・保険料の減免制度がある(会社都合、病気、災害などで退職した場合)

・扶養にできない(家族の保険料も個別にかかる)

・自治体で保険料が違う

 

保険料は標準報酬月額によって決まります。
簡単に言うと、給料をランク分けしたものです。毎年6〜7月に届く、標準報酬決定通知書にに記載されています。給与明細に書いていることもあります。

どちらが安い?

基本的にはこのような傾向にあります。

では、実際のケースをシミュレーションしてみます。
※金額がわかりやすいように端数はカットしています

 

ケース1
・単身の男性
・65歳
・前年度の年収:400万
・年間の年金:200万
【任意】協会けんぽ
1年目:年380,000円
2年目:年380,000円

【国保】 
1年目:年333,000円
2年目:年168,000円

ケース2
・夫婦2人暮らしの男性
・夫婦どちらも65歳
・前年度の年収:夫400万、妻100万
・年金の年間収入:夫200万、妻10
0万

扶養あり(妻)

【任意】協会けんぽ
1年目:年380,000円
2年目:年380,000円

【国保】
1年目:年401,000円
2年目:年235,000円

 

ケース3
・単身の男性会社員が独立
・40歳
・前年度の年収:600万
・独立後の年収:400万

単身者

【任意】協会けんぽ
1年目:年380,000円
2年目:年380,000円

【国保】
1年目:年626,000円
2年目:年333,000円

 

ケース4
・男性会社員が独立
・夫婦どちらも40歳
・前年度の年収:夫600万、妻100万
・独立後の年収:夫400万、妻100万

扶養あり(妻+小学生の子1人)

【任意】協会けんぽ
1年目:年380,000円
2年目:年380,000円

【国保】
1年目:年777,000円
2年目:年555,000円

国保簡単計算リンクはここをクリック

協会けんぽ早見表はここをクリック

補足

任意継続の保険計算は要注意

任意継続には健康保険組合と協会けんぽの2種類がありますが、協会けんぽの保険料は上限額が決まっています。つまり、高収入の人ほどオトクです。

任意継続は会社員時代の保険料が2倍になるが、協会けんぽは上限が決まっている。自治体で異なるが、大体3~4万程度。

しかし、健康保険組合は上限額が撤廃されました。そのぶん、健康面のサポートは充実していますが、会社ごとに変わりますので、自分にはどれが合っているのか考える必要があります。

最新情報

2025年4月から、協会けんぽの任意継続の上限が引き上げられました。簡単にいうと改悪です。

標準報酬月額の上限が30万▷32万にアップ
これまでは、30万以上は一律の保険料でした。しかし、32万になったことで、31万を超える人は保険料が上がります。およそ年間2~3万の保険料アップです。

まとめ

退職後の健康保険は、任意継続と国保のどちらが安いかを比較して決めることが重要です。

💡 まずは、自分の保険料を確認してみましょう!

どちらを選ぶかで年間で数万円〜十数万円の差が出ることもあるので、しっかり確認しておきましょう!

「知らなかったから損をした…」とならないように、ぜひこの機会にご自身に合った健康保険を選んでくださいね!

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